滋賀大学からのご挨拶

GREETING

滋賀大学長竹村 彰通

滋賀大学の新たな100年に向かって

滋賀大学の源流である彦根高等商業学校は、大正12年(1923年)に開校しました。
これは、我が国が明治維新後大正に至り、国力が飛躍的に増進し、世界への雄飛が期待され、専門性の高い人材養成の必要性から、近江商人を多く輩出した彦根の地に、高度職業人の育成を理念として設立されたものです。

その創立百周年を迎える今、世界は、IoTやビッグデータ、AIなどが普及した新しい産業構造への転換、グローバル化の進展、新型コロナ禍にみられるリスクへの挑戦等の新たな課題に直面しています。
そして大学には、新時代を切り拓く人材育成、社会と連携した課題解決への貢献が求められています。

彦根高商の流れを脈々と受け継ぐ本学経済学部と、2017年に開設された日本初のデータサイエンス(DS)学部は、その創立時の理念を継承し、新時代を切り拓くべく革新を図っています。日本初のDS学部設立を嚆矢として、国内最高のDS教育・研究拠点としての機能強化、経済領域と DS 領域の融合による新しい「ビジネスサイエンス」の展開と普及を進めてまいります。大学院レベルでは、文部科学省の支援を受け、経済×DSのプログラムを開始いたします。また生涯教育の観点から、社会人のリスキリングの教育にも力を入れていくこととしております。

新時代の課題の解決には、社会と大学の連携による共創の枠組みが求められています。百周年のこの機に、新たな挑戦に向けて、本学の共創力を高める基盤を築くさまざまな事業を企画しております。皆さんのご支援ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。

滋賀大学 経済学部長中野 桂

「人々の幸福の追求」と時代に合った改革を

滋賀大学経済学部の前身となる彦根高等商業学校は、大正11年(1922年)10月に設置され、翌年4月に最初の学生を迎えました。以来、滋賀大学経済学部は常に時代の変化を見据えながら、改革を進めてきました。

まず、昭和24年(1949年)に滋賀大学となった時には経済学科と経営学科の2学科体制でしたが、1970年代に2つの学科を加えました。昭和47年(1972年)に新設された管理科学科(当初定員40名)は、経営学に理系のサイエンスの考え方を取り入れたものでした。平成2年(1990年)に情報管理学科へと名称変更を行い、平成29年(2017年)の日本初のデータサイエンス学部の創設へとその系譜が引き継がれています。
また、昭和52年(1977年)には会計学科を設置するなど、実践的能力の涵養を目指す教育を展開してきました。

1990年代には、先に述べた情報管理学科への名称変更のほかに、時代を見据えた改組を行いました。平成3年(1991年)にはファイナンス学科を新設し、さらに平成5年(1993年)には経営学科と会計学科を改組してそれぞれ企業経営学科と会計情報学科とするとともに、社会システム学科を新設し、国立大学経済学部としては最大規模の定員と多様な専攻分野を持つ学部となりました。

このようにして、常に時代の変化に対応すべく改革をおこなってきた経済学部ですが、創立100周年を機に更なる進化をはかります。まず、学べる分野の多様性は維持したまま、5学科を1学科に統合します。入学してくる学生は、1、2年次は教養科目や様々な分野の基礎となる専門科目などを学びます。そして3年次進級時に3つの専攻の中から一つを選択し、専門性を高めていきます。また、グローバル人材や経済経営などの分野のデータ分析人材を育成するための特別コースも設置します。

時代の流れに合わせて組織改革を行ってきた経済学部ですが、一方で変わらないものもあります。それは、経済学が「経世済民(世の中をマネジメントし、人々を幸せにする)」の学問であるということに由来します。時代を表すキーワードは、Society5.0、SDGs、DXなど様々に変遷をしていきますが、「経済学は人々の幸福を追求する学問である」という理解は不変です。

滋賀大学経済学部は、これまでの100年がそうであったように、これからの100年も時代を切り拓き、人々を幸せにする力を持った人材を輩出していきたいと考えています。

一般社団法人陵水会 第19代理事長山田 督

22世紀に向け新しい扉を拓こう

滋賀大学経済学部の前身である彦根高商は、渋沢栄一翁が唱えた<士魂商才>を建学の精神として大正12年(1923年)に創立されましたので、間もなく百年を迎えます。

母校はこれ迄幾多の変遷を経ましたが、特に平成29年(2017年)にデータサイエンス学部が創設された後は、国内最大規模の経済学部と日本初のデータサイエンス学部が共存する文理融合型の、未来社会をデザインする未来創生大学として各界から大きな期待が寄せられています。

われわれ陵水会もこの百年の間<強い母校支援>と<固い団結力>を旗印に母校の発展と共に二人三脚で力強く歩んでまいりました。3万6千人を超える有為な卒業生が彦根を巣立った後、世界で羽ばたき続けているのがその証であり、まさにわれわれの誇りとするところであります。

われわれはこの記念すべき大きな節目を、先輩諸兄に感謝申し上げ、かつ喜びを分かち合うだけでなく、22世紀に向け新しい扉を拓く絶好のチャンスと捉え、大学陵水会共同事業と陵水会主体事業に二分し、未来創生大学への挑戦を力強く支援すると共にわれわれの団結力を一段と強化する覚悟でございます。

どうかこの趣旨をご理解いただき、倍旧のご支援ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。